リバウンドをくり返した僕だからこそ、伝えられることがある
― パーソナルトレーナー阿部英明のストーリー ―
はじめに
変われたはずなのに、また太る。
努力したのに、戻ってしまう。
そんな経験を、僕は何度もくり返してきました。
だからこそ、今は言い切れます。
リバウンドや失敗は、あなたの弱さのせいじゃない。
本当の意味で変われる方法が、ただ知られていないだけ。
これは、そんな僕自身の物語です。
第一章:刷り込まれた「太っていることは悪いこと」
物心ついた頃から、僕はずっと太っていました。
小学1年生のとき、父から毎朝のランニングを命じられ、
「太っていることは悪いこと」――そんなふうに思い込むようになりました。
走るのは、とにかく嫌でした。
「痩せるために走っている」と人に思われることがとにかく恥ずかしくて、 周囲の目が気になって仕方がありませんでした。
その頃から、「運動は苦手」と思うようになっていきました。
第二章:変わりたい。でも、変わりきれなかった
高校で「このままじゃダメだ」と思い、思い切ってラグビー部に入部。
毎日ハードな練習に必死でついていくなかで、少しずつ体も変わり、 仲間の存在に支えられながら、3年間やり切ることができました。
ところが、引退して運動をやめると、すぐに体重が戻りはじめました。
しゃがむと肺が圧迫されて呼吸ができず、靴ひもを結ぶのに息継ぎが必要なほどの体に。
20歳のとき、将来が本当に怖くなってダイエットを決意。
ジムに通って1年ちょっと、紆余曲折ありましたが、26kgの減量に成功。
鏡に映る自分がみるみる変わっていくのが嬉しくて嬉しくて、生まれ変わったような感覚でした。
すべての景色が違って見えて、「今なら何でもできる」と自信に満ちていました。
それまで、人と話すのがどこか怖かった僕が、自分から声をかけられるようになっていたのも大きな変化でした。
その後も何年も体型をキープし、「もう一生このままでいける」と、本気で思っていました。
第三章:一瞬の油断が、全てを狂わせた
30歳手前、転職を機に生活が大きく変わり、仕事に集中するために、継続していたトレーニングを中断。
そこから歯車が狂い始めました。
思うようにいかない仕事、たまっていくストレス。
唯一の逃げ場が「食べること」でした。
夕食後に菓子パンを2個3個…。
そのひと時だけは幸せを感じられるけれど、体は確実に膨らんでいく。
ズボンのボタンは留まらず、ベルトで無理やり抑えていました。
それでも間に合わず、大きいサイズのズボンを2回買い替えました。
「こんなはずじゃない」
「どうして止められないんだ」
惨めで、悔しくて、恥ずかしかった。
体重は自分でコントロールできると思っていたのに、まったくどうにもならなかった。
職場では気づかれていないふりをして、平然を装っていました。
でも心の中は、ぐちゃぐちゃでした。
第四章:遠回りして、やっと戻ってこれた
「とにかく早く戻りたい」
焦った僕は、ネットで痩せる方法を検索し、痩身エステにも通いました。
でも、楽に痩せられる方法なんて、どこにもありませんでした。
ようやく行き着いたのは、トレーニング。
「これしかない」と腹をくくって、またジムに通いはじめました。
最初は、週2回。ほんの少しずつ。
体を動かすと、心も少しずつ落ち着いていきました。
気づけば、トレーニングは“体重を減らす手段”ではなく、
“自分を取り戻す時間”になっていました。
3年かけて、再び26kgの減量に成功。
でも、それ以上に大きかったのは、その過程で数えきれない気付きを得られたこと。
僕はこの経験で、「できる範囲でいいから、少しでも前に進む行動をやめないこと」が、どれだけ大事かを学びました。
その積み重ねが安心感を生み、日々のストレスからも自分を守ってくれたんです。
20歳のときと違って、圧倒的に時間がない。だけど、「ならないで工夫すればいい」「それすらも楽しめばいい」と思えるように。
たとえ挫折しても、諦める必要なんてない。
そう確信できた3年間でした。
第五章:この経験を、誰かの力に変えたい
この体験を通して、僕はようやく本当の意味で「変われた」と思えるようになりました。
だからこそ、同じように悩む人の力になりたい。
そう思い、パーソナルトレーナーの国際資格を取得。
2017年にパーソナルトレーナーとしての指導をスタート。
県内大手スポーツクラブなどで経験を積みました。
でも、僕にはどうしても合わなかった。
周囲への気遣いが絶えず、集中してトレーニングするには不向きな空間だと感じていました。
「もっと落ち着いた場所で、一人ひとりとしっかり向き合いたい」
そう考えて、2019年に神戸三宮にてGRANdyを開業。
すぐにコロナで一時閉店という試練もありましたが、
少しずつお客様との信頼を積み重ね、5周年を迎えることができました。
第六章:リバウンドしないために必要なのは、「仕組み」と「関係性」
僕は「運動が得意だったからトレーナーになった」わけではありません。
むしろ苦手だったし、リバウンドもしてきた。
でもだからこそ分かることがあります。
・頑張りたくても頑張れない気持ち
・人知れず焦って、自分を責めてしまう心の動き
そして、変わるには「仕組み」だけでなく、
誰かと一緒にいるという“関係性”が必要だということも。
これまでお客様に、こんなことを言われたことがあります。
「阿部さんじゃなかったら、続いていませんでした」
「過去のダイエットは全部リバウンドしたけど、初めて維持できてます」
これらの言葉が、僕の原動力になっています。
おわりに
今、もしあなたが
「頑張っても続かない自分が嫌だ」
「またリバウンドするかもしれない」
そんな不安を抱えているなら――
僕は、あなたのことを、
少しだけ、分かってあげられるかもしれません。
変われる方法は、ちゃんとあります。
あなたに合ったペースで進めば、必ず変わっていけます。
ここは、無理をする場所ではありません。
あなたが「やってみよう」と思えたその瞬間から、すでに変化は始まっています。
僕は、あなたの「最後のダイエット」に、なれると思っています。