こんにちは、パーソナルトレーナーの阿部です。

 

「無理なダイエットをすると筋肉が落ちますよ」

 

ということは、これまでにも

何度もお伝えしてきました。

 

でも、無理なダイエットをして

落ちてしまうのは筋肉だけじゃないんです。

 

骨量が低下してしまうのです。

 

  • 食べないダイエット
  • 偏った食生活
  • 朝食を食べない

 

このような事をしていると

骨が弱く、もろくなってしまいます。

 

骨の健康って考えた事ありますか?

「骨が弱くなる」なんてと聞くと

「骨粗しょう症」を思い浮かべると思います。

 

通常「骨粗しょう症」といえば

「高齢者の病気」

というイメージがありますよね。

 

骨粗しょう症は女性に多くて

60代女性の3人に1人、

70代女性の2人に1人は

その症状があるとされています。

 

ただ初期段階では自覚症状がなく

骨折して始めて気付くケースも少なくないようです。

 

 

日本は世界トップクラスの長寿国ですが、

実は、「寝たきり」で過ごす年数が

世界一です。

 

女性の場合、平均寿命が86.61歳。

健康寿命は74.21歳です。

 

その差が約12年。

(男性は約9年)

 

  • 健康ではない生活
  • 自立した生活が送れない状態

 

が12年続くということです。

 

「74歳なんてまだまだ先だから」

 

というような他人事ではなくて

みんなが通る道です。

 

今からの備えが大切なんです。

 

こんなことを言うと、

 

「ダイエットはしないほうが良いの?」

 

と思われるかも知れませんが、

大丈夫!心配しないでください!

 

それに、

骨密度を復活させることも可能です!

 

今日は「ダイエットと骨の健康」について

お話したいと思います。

 

骨を強くする方法

骨を強くするためにはどうしたら良いでしょうか?

 

  • 運動をする
  • カルシウムを摂取する

 

思いつくのはこんなところですね。

 

ではどんな運動が

骨を強くする運動なのでしょうか?

 

運動なら何でも同じなのでしょうか?

 

いろいろなスポーツ選手の骨量を比較するとこんな感じになります。

(高校男子の腰椎の骨量)

 

 

スポーツによってかなりの差がありますね。

 

身体に良いと思ってジョギングや水泳(グラフは水球)

をしている人は大勢いますが、

骨を強くする効果は期待できません。

(むしろ何もしていない一般よりも低い・・・)

 

やるなら重量挙げや相撲・・・

 

いやいや、なかなか出来ませんよね。

 

でも大丈夫ですよ!

 

でも骨を強くするのに

激しいスポーツは必要ありません。

 

骨を強くするためには

骨に圧力をかけてあげればいいのです。

 

骨は圧力を加える事で

強くする事ができるのです!

 

その仕組みについて説明しますね。

 

運動で骨が強くなる仕組み:骨(こつ)ピエゾ効果

骨は筋肉などと同じように

「生きている細胞」です。

 

破骨細胞が古い骨を破壊し

骨芽細胞が新しい骨を作ります。

 

骨は常に活発に新陳代謝をしているのです。

 

骨って単なるカルシウムの塊ではなくて

骨の2030%はコラーゲンで出来ています。

 

そのため骨にはある程度の弾力があって

グッと圧力を加えると

わずかに曲がり振動するのです。

 

振動した時に骨の表面には少しだけ電気が流れます。

 

これを圧電効果、またはピエゾ効果といいます。

 

(ここからちょっと理科の話)

 

電気が流れるということは

電荷的には-(マイナス)になるという事です。

 

一方、骨の主成分であるカルシウムは

体内ではカルシウムイオン(Ca+)として存在していて

こちらは+(プラス)の電荷を持っています。

 

プラスとマイナスは引き合うので

骨の表面にカルシウムが引き寄せられて

吸着されやすくなるというわけです。

 

●骨ピエゾ効果のイメージ

 

1.骨に圧力が加わる

2.骨が振動して、表面に電気が流れる

(電気的にマイナスになる)

3.電気的にプラスの「カルシウムイオン(Ca+)」が引き寄せられる

4.骨の表面にカルシウムが吸着する

 

まあ、何となく、

「骨に圧力が加えるとカルシウムがくっつきやすくなるんだなあ」

と思っていただけたらOKです。

筋トレで骨が強くなる

骨を強くするためには骨に圧力をかける事が大切です。

 

それを安全に行えるのが筋トレです。

 

あなたのカラダに合わせて負荷を調整することも出来るし

少しずつレベルアップすることも可能です。

 

もちろん筋肉も強くなるし体型も良くなります。

(本来はこちらがメインですね)

 

筋トレはとてもハードな運動なので

成長ホルモンの分泌が促進されて

細胞の新陳代謝も良くなるメリットもありますね。

 

筋トレでも特におすすめなのが

フリーウエイトトレーニングです。

 

これはバーベルを使ったスクワットです。

 

肩、腕、腰、脚に、

しっかりバーベルの重さが乗っていますね。

 

筋肉を鍛えると同時に

全身の骨も鍛えることが出来ます。

 

ダイエットの時は健康のためにも

このような運動を選択することが大切です。

 

 

骨とカルシウム

「骨を強くするためにカルシウムを取りましょう!」

 

としきりに言われています。

 

食品のパッケージに

「カルシウム増量!」

と書かれているのを見ると

カラダに良さそうに見えます。

 

でももし、

カルシウムを取るだけで骨が強くなるのであれば

骨粗しょう症なんて誰もならないと思います。

 

カルシウムのサプリメントが特効薬になるわけですから・・・。

 

本当に骨を強くしたいなら

カルシウムだけとってもダメと言うことです。

 

「カルシウムの摂取量の多い国に骨の疾患が多い」

という現象もあるのです。

 

これは主に牛乳からカルシウムを

摂取しているからのようです。

 

動物性の食品を食べると

体内のpHが「酸性」に傾いて

骨のカルシウムを流出させてしまうためと考えられています。

 

人の血液は弱アルカリ性なので

酸性に近付くとカラダは正常に機能しなくなります。

 

これを防ぐには、野菜や果物といった

「アルカリ性」食品もしっかり食べて

バランスを取ることが大切なんですよ。

 

 

骨に良い食事とは?

学生を対象にした骨量の調査で

骨量の少ない学生は大豆製品や海藻類の摂取が

極端に少なかったようです。

 

大豆や海藻にはカルシウムが豊富に含まれています。

 

また、

肉や魚の摂取量も少ないことが分かりました。

 

骨の主要成分のコラーゲンは

タンパク質だからです。

 

 

その一方で「ジュースやお菓子の摂取は多かった」

とも報告されています。

 

また、

室内よりも屋外で運動する学生の方が

骨密度が高い傾向にありました。

 

日光が骨の強さに影響を与えているのです。

 

骨の育成にはビタミンDが必要で、

皮膚に日光が当たることで

コレステロールからビタミンDが作られるからです。

 

ビタミンDは食品から取ることも大切です。

 

ビタミンDを豊富に含む食べ物は

魚介、卵、キノコです。

 

まとめ

骨を強くするためには

骨に圧力がかかるトレーニングを行うこと。

 

カルシウムも大事だけど

肉、魚、卵、野菜、果物、キノコなど

いろいろな食材をバランス良く食べることが大切です。

 

ダイエットでは「痩せたい!」

「体重を落としたい!」という気持ちが強くなると

食事制限をしてしまって栄養不足になり

骨や筋肉を落としてしまいがちです。

 

それで体重が落ちても意味がありません。

 

将来困ることになります。

 

ダイエットをする際には

筋力トレーニングをおこなって

バランス良く食べることを心がけてください。

 

体重を落とすことよりも

「健康で強く美しいカラダ作り」

を目標にしましょう!

 

パーソナルトレーナー阿部英明