神戸で活動するダイエット専門パーソナルトレーナーの阿部英明です。
多くの人が実践し効果を上げている糖質制限ダイエット。
糖質以外は何を食べても大丈夫!という
非常に簡単なルールと
それでも痩せるという事実が
この流行を支えていますが、
本当にそのルールで何も問題はないのでしょうか?
【目次】
糖質以外は本当に何でもOKなのか
どんなことにも表と裏、メリットとデメリットがあります。
糖質制限のメリットは、簡単な(と勘違いされている)ルールと、減量効果が出やすいことです。
糖質を制限すると、インスリンの分泌が抑えられます。
インスリンが分泌されなければ、血液中の余分なカロリーが脂肪細胞に溜め込まれないため太らないというわけです。
では糖質以外のものを食べすぎた場合の、血液中の余分なカロリーはどうなるのでしょう?
脂質のとりすぎが動脈硬化を進める可能性がある
通常我々は糖質から、1日の摂取カロリーの50~60%をとっています。
摂取カロリーを半分まで制限してしまうと、肉体を維持するためのカロリーすら足りないので、筋肉を分解してエネルギーを取り出さなくてはなりません。
糖質をとらずに必要なカロリーを満たすためには、お肉をたくさん食べる必要があります。
肉が好きな人なら夢のようなダイエット方法ですね。
しかし肉中心の食事になると、どうしても脂肪分を多くとってしまいます。
牛肉や豚肉など動物性の脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸は
血液中に中性脂肪や悪玉コレステロールを増加させ、
動脈硬化を促進さる可能性があります。
肉食のイヌイット(エスキモー系民族)は動脈硬化が多かった
イヌイットの住む北極圏は農業には適さないので、必然的に肉食中心(糖質制限)の食事となります。
イヌイットの主食である魚やアザラシには、実は、血液をサラサラにする成分であるEPA やDHAなどの、「オメガ3脂肪酸」が豊富に含まれています。
イヌイットは肉食中心でありながら血栓性疾患である脳梗塞や心筋梗塞が多くないのはこのためです。
しかし500~1000年前の、40代で死亡したエスキモーの凍結ミイラを分析したところ、動脈硬化が見られたという事実や、血栓性疾患もあったという調査結果があります。
ちなみに、高炭水化物食のミイラには、動脈硬化はほとんど見られなかったようです。
極端な方法に頼らないこと
糖質制限自体はインスリンの乱高下をなくし、体脂肪の蓄積を抑える優れた方法だと思います。
しかしながら、糖質以外は何を食べてもいいなんて極端な方法は、あなたの健康を害するだけです。
もし糖質制限をするなら、
野菜をたくさん食べる。
脂質をとりすぎない。
肉より魚を多く食べる。
ことです。
そして肉を大量に食べないといけないほど、もしくは基礎代謝を下回るほどに糖質を制限しないことをお勧めします。